こんにちは。新卒3年目にして早くも3回目の転職を迎えるというなかなかアグレッシブな生き方をしております、スコーンです。
1社目は東京の人材ベンチャーで営業とか事務とか、2社目は関西のザ・昭和の中小企業で貿易事務、そして3社(?)目は某国立大教授の秘書(派遣)。そしてこの春、ふたたび転職予定。
ここまでけっこう多様な経験をさせていただきました。
中でもこの1年間させていただいた大学教授秘書はいろんな意味で面白かったので、忘れないうちにブログに書き出してみようと思います。
なぜ教授秘書に?
大学卒業2年目です。秘書やってます。
と聞くと、まずはじめに浮かぶ疑問は「??? なんで??」だと思います。
普通に企業に就職してそこで働き続けて…となると、まず出てこないこのルート、「大学教授秘書」。
まずはなんでこの仕事をすることになったのかを説明します。
「2社目をクビになったから。」端的に言うとこれが理由です笑
1社目のベンチャーをやめて2社目の貿易事務に就いたのは、「英語を使った仕事をしたい」という理由からでした。
望み通り毎日英語をバシバシ使う仕事で、社長に謎の嫌がらせを受けながらもぼちぼち楽しくやっていたのですが、ある日突然まさかの解雇!!!
まあここは話すと長くなるので割愛するとして、とりあえず次の職を探すことになったわけです。
実は当時、将来通訳になりたい、土日だけでも通訳をしたいという思いからたまたま通訳派遣会社に登録していました。新しい仕事を探すぞーってなったときに、その通訳派遣会社から「英語を使う秘書」という内容で紹介していただいたのがこの仕事でした。
某有名教授?
私は秘書をするまでは存じ上げなかったのですが、その分野では非常に著名な方だそうで、テレビなどにもちょくちょく出てらっしゃいます。
ど素人の私には研究内容がさっぱりなのでどの程度すごいかはよくわからなかったのですが、企業の方やほかの研究者の方の口ぶりからすると、世界的にも高く評価されている方のようです。
年80回の講演、というのはその一端を表しているのではないでしょうか。
何をするの?
具体的に何をするの?というのはこの1年で何度も聞かれました。
何をしていたかというと…
- 先生の講演管理(国内外)
- 先生の出張管理(国内外)
- 研究室内の雑務
です。
講演管理は、企業/自治体/教育機関等から先生にきた講演依頼を、自分が先方と先生の間に立って窓口となる仕事です。謝礼はいくらか、日程はいつか、講演内容はなにか、必要なものはなにか、旅費はどちらがどれだけ負担するのか、請求書はどうするのか、といったことを先方と先生の両方に確認していきます。
そして講演が終わったあとには、実際にかかった交通費を計算し、先方に請求して振込日を確認。次の講演依頼につながることもあります。
出張管理は、講演や企業との打ち合わせ、大学の研究での出張など、出張の目的を確認し、交通費をそれぞれの出張先へ請求したりします。
また、海外出張の際は飛行機の予約やビザ取得、先生が現地で楽に行動できるようにするためのスケジュール表作成もします。
研究室内の雑務は、ザ・雑用という感じで、来客時のお茶出しや備品管理、必要に応じてアスクルで発注などです。「ザ・雑用」と書いてしまいましたが、実は私このお茶出しが大好きなんです。
お茶出しの楽しさ
前職の貿易会社時代に、初めてお茶出しというものを経験しました。
典型的な中小企業だったので、来られるお客様はおおむね銀行の営業マン、税理士さん、社労士さん、そして取引先。
こうした方々にお茶を出していました。そしてそれが楽しかった!全部大学までじゃ見たことの無い世界なんですよね。
小さい会社だったので社長とお客さんが1対1で話しているところにお茶をスッと出していくわけです。こういう雰囲気なんやな~とか、なんかよくわかんないけどこんな話するんやな~とか思いながら。
それと夫が銀行の営業マンだったので、こういう風に営業してるんかな~がんばれ~と思いつつ営業さんに「今日はほんまに寒いですね~」とかちょっと話しかけてみたり。
そんで、教授秘書。
このお茶出しは、もっと面白かった!
なんせ有名人ということでお客さんがめちゃいろんなところからいらっしゃいます。国内外のテレビ・雑誌・ネットメディア、研究者の方、企業の方、芸術家の方、とかとか…
BBCとかthe guradianとか、自分がいつも読んでいるメディアの取材が来たときは私の中のミーハー魂がこっそり爆発していました笑
他にも、なんかめっちゃオーラ出てる人やな…って思ってググったら普通にwikiに載ってる人だったり、Twitterで個人的にフォローしている人から研究室へ電話がかかってきたり。。。
「この世の中にはいろんな仕事をしている人がいて、そしてみな一人ひとり人間なんやな」っていうのがこの1年お茶出しをしていてしみじみと思ったことでした。ほんま、面白かった。
テクノロジーへの興味
エンジニアになるべく、この5月からTECH::CAMP EXPERTというエンジニア養成・就職コースへ通うことを決意したスコーンですが、1年前の自分がこの決意を聞いたら驚きのあまりひっくり返ってしまうに違いありません。
小学校のころから算数も理科も大嫌いで、センター試験の数学ⅠAでまさかの47点を叩き出したスコーンは、常に「テクノロジー」なるものから距離を置いて生きてきました。
「理系っぽいもの」はとにかくわからない、好きじゃない。そんな凝り固まった頭で24年間生きてきたのですが、それがこの1年でガラッと変わりました。
きっかけは、先生の著書です。
せっかく秘書するんだし先生の本も読んでみようと、就職してすぐに著書(サインしてもらって嬉しい)を読んでみました。これが大きな転換点になった。
「研究は、手段であって目的ではない。僕は『人間とはなんなのか』が知りたい。今のところそれを知るための最良の手段がこの研究だからこの手法でしているだけであって、ほかにもっと良い手段が見つかればすぐにでもこの研究はやめていい。」
といったことが書いてあったんです。
先生は昔芸術家を目指されていたこともあって、ただ機械をいじるのではなく、常に哲学的な問いを根っこに持ちながら研究をされていた。ここに衝撃を受けたんです。
ああ、そういうもんなのか、と。
この考え方に触れて、「理系っぽいもの」に対して勝手に感じていた24年来の壁が、スーッと消えていきました。
なんでもできる人になりたい
去年通訳を目指していたのも、今エンジニアを目指しているのも、「なんでもできる人」への第一歩、という気がします。
「なんでもできる人」って言うとなんだか語弊がありますが、つまるところ「自分が『あ、なんか面白そう』『あ、なんか知りたい』と思ったことを、ありとあらゆる手段で探求できる人になりたい」という感じでしょうか。
『サピエンス全史』を書かれたユヴァル・ノア・ハラリ氏はまさにそんなイメージです。地学・生物学・歴史学等、まったく壁を感じさせずに様々な学問を縦断・横断しつつ人間の旅路を巡るのが『サピエンス全史』という本でした。
最近ホットなメディアアーティスト、落合陽一さんも分野の壁を感じない研究をされている印象です。
こういう方面へのアンテナが伸びた1年でした。
教授秘書、よかった。
2社目をいきなりクビになったときはどうなることかと思いましたが、いやはや、クビになって本当によかった。後年振り返ったときには、この1年は非常に大きな転換点となっているはずです。
この1年の学びは、大きくわけて2つ。
- 学びに壁なんて無い。したいことをすればいい。
- 有名人も偉い人もメディアの作り手もみな人間笑
やー、ほんとにおもしろい1年でした。
これからの1年はいよいよ、手に職をつける第一歩を踏み出すことになります。
がんばるぞーーーーーーー
1年間おつかれさま、ということで先生・他の秘書さんからいただいた時計。めちゃくちゃ嬉しかった…!大事にします。。。