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朝からスコーン

考えたこと。やってみたこと。やってみたいこと。

記憶のフック

 

今日の空は堂々たる曇り。

 

このどんよりした色を見ると、留学していたスコットランドをちょっぴり思い出します。でも、スコットランドはもっと寒々しい、そっけない曇り空だし、第一湿度が全然違う。それにカラスがかあかあ、スズメがちゅんちゅんとなると、はいここは間違いなく日本ですね。

 

今まで全く思い出しもしなかったことがふと何かの折に引っ張り出されてくること、ありますよね。私は音、におい、空気の質感、色が記憶のフックとなることが多いです。

 

快晴、初夏の緑が美しい中木漏れ日を浴びながら…となると思い出すのは学生時代に自転車で走り回った鴨川沿い。

 

枯れ木、厚着、寒い寒いと言いながらどこが天井かわからない冬空を見上げる。高い空そのものから聞こえてきてるんじゃないかと錯覚する「コオオオオオ………」という音。小学生時代の通学路、高台から見下ろす田園地帯がまぶたのうらに。

 

キジバトの「くるっくー」ともなんとも言えない鳴き声。学校だりいなーと思いながら朝起きる。妹はいつものようにまだ夢の中。窓を開けてベランダに出る。そしてこちらもいつものようにもう起きてコーヒーを飲みながら読書をしている父親がいる。「おはよー」と、2階から声をかける。そんな頃もあった。

 

ストーブの焦げたようなにおい。誰かがまた手袋をストーブに乗せて干そうとして焦がしてしまったのかもしれない。ギシギシ鳴る、古びた小学校の木の床。学期ごとにワックスをかけていたっけ。あれは面倒だったな。校舎の端っこにある美術室は、いろんなものが飾ってあって不気味だった。

 

スズメの大群のかまびすしい鳴き声。高校の頃、一瞬だけ習っていたピアノの帰り道。駅の目の前の木に大量のスズメが住み着いていたんだったな。

 

ざく、ざくと踏みしめる音。ああ南禅寺。そしてそこに私を連れて行ってくれる、哲学の道。大量の観光客も、夜はすっかりいなくなってくださるのでした。

 

 

不思議と、大学時代よりもそれ以前を思い出すことのほうが多い。大学時代は今に近すぎるのかなあ。今までの人生で一番楽しかった時期なのは間違いないのに。

電車が「ガーーー」って過ぎ去る音を聞いたら、ホームから発進する音を聞いたら、新婚生活を思い出すようになるんだろうなあ。