面白いタイミングで、面白いところに留学したもんだなと思う。
2013年、大学4回生の春。私はスコットランドの首都、エジンバラへ、英語を学ぶべく語学留学していた。
もはや別の国。スコットランドvsイングランド
「スコットランドに留学してた」と言っても、なかなかぱっとわかってもらえることは少ない。「スコットランドって、イギリスの北半分ね」という説明は必須である。
こちらの図がわかりやすい。
引用元:外務省HP
日本にいるとなかなか理解しがたい感覚なんだけども、イングランドとスコットランドは同じ国であって同じ国ではない。彼らは絶対に"I'm from England."とか"I'm Scottish"と自己紹介する。"I'm British."なんて言わない。Never.
4歳から8歳までロンドンに住んでいたうちの旦那も、「当時はスコットランドって外国だと思ってた」と言っていた。イギリスの子供達は本当に別の国だと思っているらしい笑
そうした意識だけじゃなくて、制度もまるっきり違う。例えばスコットランドは大学は学部4年制だけどイングランドは3年制。お札のデザインも違う(ロンドンでスコットランドのお札を使ったらびっくりされた)。Bank of Englandがあるのと同様に、Bank of Scotlandがある。NHSという国民保健サービスも、イングランドとスコットランドで別々にある。
つまり、「どこ留学してたの?」と聞かれた時に「イギリス」ではなく「スコットランド」と答えればあなたも立派なスコットランドかぶれなわけだ。
スコットランド独立騒動
で、そんなスコットランド、実は2014年にイギリスからの独立を巡って(スコットランド人の)国民投票が行われた。2016年のEU離脱投票の騒ぎに全部持って行かれた感があるけれども、前哨戦みたいなものがその2年前に行われていたのだ。
結局反対票が55%で独立には至らなかったんだけども、直前まで世論調査が拮抗していて、結構スリルのある投票だった(そう、このころはまだ世論調査結果が信用できたのだ)。
私が留学していたのは2013年だったから、ちょうど投票の1年前だった。日本じゃまだそんなに話題になってなかったけど、当事者であるスコットランドは結構そわそわしていた。
そんな背景があって、語学学校の授業の一環で街頭インタビューをすることになった。(余談だが語学学校のカリキュラムというのは大変いい加減で、クオリティは完全に先生依存だし、やることも先生の気分で決まる。)2人でペアを組んで、街ゆく人々へ以下の質問をする、というものだ。
ゲール語というのは、スコットランド古来の言葉、らしい。今は話者は6万人しかいないそうだ。スコットランドの田舎の方に行くと標識が英語とゲール語併記だったりする。スコットランド固有の文化についてどう思うか?ということでこの質問が設定されていた。
で、この街頭インタビュー、迷惑そうな人ももちろんいたけど、意外とみんな答えてくれた。「賛成?反対?」と尋ねたらそれぞれ「私は賛成よ。なぜかというと…」とはっきり答えられるあたりは欧米らしいなと感じた。
結果は、賛成20%、反対80%とかだった気がする。首都エジンバラということもあって生活にそれほど困っていない人たちだったから、現状維持派が強くなるのは至極当然。というかそのころは国民投票なんてあくまでパフォーマンスで、いやいやまさかそれで国が大きく変わったりなんかしないっしょという程度の認識だった(少なくとも私は)。
スコットランドの自然を破壊するアメリカの大富豪
授業では、そのほかにもスコットランドについてたくさん学ばせてもらった。この点、イングランドではなくてあまり馴染みのないスコットランドに留学してよかったなと思う。
中でも一つ印象的だったビデオがある。今では目にしない日の無いこの金髪、私が初めてこの人の存在を知ったのは語学学校の授業でだった。
ドナルド・トランプというアメリカの不動産王が、スコットランドの自然溢れる地域を買い取ってゴルフ場にしてしまった。そういうドキュメンタリーだった。
これはトランプ氏を批判するトーンで撮られていて、立ち退き要求に抵抗する人や、逆にゴルフ場オープンイベントでプレイして批判されるスコットランド人ゴルファーなどが出ていた。
このビデオを紹介してくれた語学学校の先生は生粋のスコットランド人。とりあえずトランプ氏のことが全く好きじゃない、ということはよくわかった笑 英語圏では結構有名人らしい、ということも。
そして、トランプ氏の髪の毛というのは鉄板ネタらしい。先生は両手をパカパカしながら「この髪型本当に"bin lid"みたいよね!」と言っていた。bin lid とはゴミ箱のふただ。上部の髪の毛がパカパカするのがbin lidみたいということらしい。おかげで、bin = ゴミ箱、lid = ふたという便利な単語を一発で記憶することができた笑
これは2016年の動画。相変わらず髪型は鉄板ネタ。
以上のとおり、留学は語学以外にも非常に学びの多い(?)経験だった。最後に、スコットランドの美しさをアピールして終わりとしたい。
スコットランド写真集
ハイランド地方。自然豊か。このどこか荒涼とした感じがスコットランド。
引用元:Scottish Highlands Travel Guide: Why You Need to Go Now in 18 Photos - Bloomberg
お城。余談だが、京大オケ191期のポスターはこのお城をモデルにしていた。中プロがスコットランド幻想曲だったからね。
引用元:Scottish Castles & Stately Homes | VisitScotland
Isle of Skye、スカイ島。これは自分で撮った写真。今までいろんなところに行ったけれど、ここは間違いなくTOP3に入る美しさ。
ホグワーツ特急!
引用元:Getting Around Scotland By Train | VisitScotland
ホグワーツの湖として映画に出てた、ハイランドの湖。ここにも行った。テンションだだ上がり。
引用元:Harry Potter in the Scottish Highlands, Scotland | Blog Post
首都エジンバラ。ほんとにこんなの。綺麗。
引用元:
Things to do in Edinburgh Scotland: Tours & Sightseeing | GetYourGuide
同じくエジンバラ。Royal Mileというメインストリート。
引用元:Royal Mile - Road in Edinburgh - Thousand Wonders
このほかにもたーーーくさん綺麗な場所がある。スコットランド最高〜〜