珍しく小説をたくさん読んだ1週間でした。
以前ブログにも書きましたが『コンビニ人間』。
面白かった。あっさり読める軽さの中に、社会の根本に対する問いかけが込められていました。
次は『危険なビーナス』。
書店で平積みしてあるなーと思っていたら父がすでに読んだと聞いたので、おさがりを読ませてもらいました。
感想は…うーん。そんなもんか、ってぐらい。東野圭吾さんは『プラチナデータ』も読んだことがあるのですが、うーん、そんなに面白くない…
なんというか、展開が薄いというか、平面的というか……
旦那いわく、『白夜行』は面白いそうですが。
あと『カエルの王国』。
著者:百田尚樹、そんで帯を見た時点で大体中身の予想はつきますよね…予想はつきつつ、下世話な2chまとめサイトを興味本位で覗きたくなるような感覚で、読んどきたいなーと思ってました。
これもちょうど父が持っていたのでおさがり。
なんというか、これで印税が入ってくるんだから百田氏はいい身分なもんだな、というのが率直な感想。内容は、端的に言えばザ・「右翼」。憲法9条、アメリカ、日本、韓国、中国、それぞれが露骨に投影されたものが登場します。
あまりに露骨で、「これを小説と呼んでいいのか…」と思えるレベルです。ただ、一部は同意できる点もあったので、「まあ、そうだよなあ…」といった読後感でした。はい。
んで、今日一気読みしたのが『罪の声』。
これが本当によかった。あまりにも没入してしまったため、読了後しばらくは「今私はモニター越しに世界を眺めているんじゃないか」と錯覚するほど、現実世界に戻ってこられませんでした。
実際に起こった「グリ森事件」をモデルとした小説。どれだけ緻密な取材をしたらこんな本が書けるんだろう、と不思議になります。『危険なビーナス』で感じた物足りなさを補って余りある内容でした。
ちなみに私が読んだきっかけは佐々木俊尚さんのツイート。
塩田武士氏の「罪の声」。非常に面白い小説でした。小説で描かれる結論にはかなり説得力があると感じた。/グリ森事件の「真犯人」を追い続けた作家が辿り着いた、ひとつの「答え」 https://t.co/45jWdFg7PS
— 佐々木俊尚 (@sasakitoshinao) 2016年9月16日
グリコ森永事件の真相に迫る非常に面白い小説「罪の声」はKindleでも読めます。「グリ森事件の脅迫に使われた子どもの声の録音が、もし自分の幼少期だったら」という設定は凄いですね。/「罪の声」塩田武士 https://t.co/7jmZgO1bMj
— 佐々木俊尚 (@sasakitoshinao) 2016年9月16日
取材の過程が詳細に描かれているので、職業:記者の方が読むと一層面白いだろうなと思いました。