朝からスコーン

考えたこと。やってみたこと。やってみたいこと。

この世界への好奇心

 

昨日職場で、中国の主張がハーグ仲裁裁判所で却下された件がちらっと話に出た。驚いたことに、私のひとつ下の男性同僚は、この話を全く知らなかった。

ネットでぱらーっとニュースを見てりゃ普通に目に触れるし、たぶんテレビでもやってたんじゃないかと思うんだけど、とりあえず彼は知らなかった。

まあでも大学オケ現役時代の私もこんなもんだったかもしれない。あれだけ大盛り上がりした2013年の特定秘密保護法案可決にしても、採決1週間前に近所の定食屋のテレビで知ったぐらいなのだから。

 

大学には休学した1年を含め5年いたのだけれど、大学4回生時点での私は驚くほどものを知らなかった。就活だし…ってことで日経新聞を取りはじめ、そこから少しずつ経済や時事問題の言葉遣いや用語に慣れていった。慣れていくにつれてだんだんと面白くなっていった。

腐っても中国史専攻ということで、中国系の話題や、国際問題に特に興味がある。まあそれに限らず、割と浅く広くなんにでも興味がある。好奇心は旺盛なほうだ。

大学卒業直後、働き始めてすぐの頃に、オケの同回生2人と後輩1人との4人で飲んだ。そこでめちゃくちゃ悔しいというか情けない思いをした。一人は大手新聞社勤務、一人は大手銀行勤務(旦那)、そして後輩は公務員志望。彼らの話に全くついていけなかった。

日本の未来はどうとか新聞の未来はどうとか、そんな話だったと思う。内容はほとんど覚えていないが、とにかくめちゃくちゃ悔しいという感情の記憶だけが残っている。オケ民はよくわかると思うが、在学中オケ仲間と時事系の話は全くと言っていいほどしない。ほんとに全くしない。それだけに、それまで自分と同じようなもんだと思っていた彼らが実は自分よりもずっと語るものがあるというのが大きなショックだった。悔しかった。

私はあえて大手をひとつも受けずにベンチャーに入って「仕事がんばるぞー」って思ってたのに、結局ただの落ちこぼれなのではないか。そう思い悩んでしまうほど、落ち込んだ。

 

去年、社会人1年目は(余談だが私はこの「社会人」という言い方が嫌いだ)新聞を読んでわからない言葉を地道に調べたり、毎日人材業界ニュースを読んで(人材会社勤務だった)少しでも知識をつけよう、何か語れるものを持とうとコツコツ勉強していた。

当時は「旦那が物知りだから、話についていけるように勉強している」と言っていたけど、今では習慣というか、好奇心からそういったニュースに触れている。通訳を目指す上で時事の知識は間違いなく必須だけど、それ以上に「もっとこの世界を知りたい」という好奇心の力が一番強い気がする。

「海外留学をするとみんな自国や世界のことをよく知っていてショックを受ける」というのはよく聞く話だけど、それは私もそうだった。書店で「教養」やら「歴史入門」やらの平積みをよく見かけるようになったのも、そういう機運の高まりの表れかも知れない。

 

とにもかくにも、私の人生の目標は「かっこいい女性になること」で、「かっこいい女性」はたぶん好奇心旺盛で、いろんなことを知っていて、堂々と議論をできるんだろうな。まあ、そんな感じである。