私はハンカチにアイロンをかけるのが好きです。
私にとってのアイロンがけとは、心を籠める時間、です。
シャツ、ハンカチ、稀にズボン。
シワをひとつ伸ばすごとに、これを身に着けて外に出てもらえるのだな、ととても嬉しくなります。
実母はあまり家事をしない人でしたが、アイロンだけは例外でした。
子供の制服、シャツ、お弁当袋、父のハンカチ。
子供と一緒にテレビを見ながら丁寧に積みあげられていくアイロンがけされたものの山が、
幼心にもとても心地よかったことを覚えています。
丁寧にたたまれたハンカチを見るごとに、少しでも和やかな気持ちになってもらえたら嬉しい。
そう思いながら、今日もアイロンをかけるのでした。